北極海海氷維持対策
【夏場の北極圏海氷を守るには】

アメリカのアラスカとロシアとの国境にある、ベーリング海峡には重要性と特殊性を知って頂きたい。
それと南極と北極の両方の氷河や海氷には地球を冷やす冷凍庫的な重要な役割を担っている。

まず始めに、私の持っている特許「北極圏海氷の融解抑制方法」の権利を放棄宣言します。

特許     第5791823号
出願番号   特願2014-543046
出願日    平成24年10月23日
特許登録日  平成27年8月14日
放棄宣言   平成29年9月6日
発明者    中石 昌典

【夏場の北極海の海氷を守る方法】

【北極海の概要について】

北極海は巨大なユーラシア大陸と北アメリカ大陸によって包まれ、2カ所が別の海洋とつながっています。
1つが大西洋ともう1つがベーリング海峡を通過して太平洋とつながっています。
南極大陸とは逆に、北極海には大陸もなく【海水】と【海氷】だけで構成され、近年その北極海において夏場の海氷の消失傾向が著しい状態です。
その海氷の消失によって、より温暖化が加速すると報告されています。

北極海の海氷をまもる

7、8年前に遡りますが「北極海の夏場の海氷が消失する可能性がある」
そんな記事を発見し過去から現在に至る北極海の海氷について調べ始めた。
それが【僕の3愚策】全ての起点となっている。
冬場、北極海の海氷はベーリング海峡(アメリカとロシアの国境)を越えて、ベーリング海のアリューシャン列島の近くまで海氷を形成します。
その時はベーリング海峡では、なんと2メートルほどの厚さの海氷で被われています。
その海氷を守る事が北極海の海氷を守る事につながると考えました。

【重要性について】

ベーリング海峡の重要性として アメリカとロシアとの間隔が100㎞である事を私は自然環境下であれば狭いと考えました。
しかし、人工的な物を作る場合においては、100kmとは非常に長い距離であると認識しています。
それでも、自然環境下で考えた場合ベールング海峡は狭く水深も50mと浅い方です。
終始荒波で過酷な環境と思われているベーリング海峡ですが、夏場の穏やかな日には海峡を泳いで渡ることも不可能ではないという情報もありました。

【特殊性について】

太平洋からの海水の流入で、それは高低差と塩分濃度差によって、月の運行に関係なく、ほぼ常に太平洋側から、このベーリング海峡を通過して北極海へと流れています。これが特殊性です。
北極圏の海氷を守るには、この重要性と特殊性を重視して考えた結果、ベーリング海峡が要だと結論づけました。

アラスカ周辺は季節の変化が非常に激しいですが、それは真冬から急に夏へと変わる事が大きな要因です。
例えばアラスカ(アンカレッジ)の夏至(6月20日or21日)では日照時間が19時間22分と長く、白夜と呼ばれるのはこの日照時間の長さによるものです。
逆に冬至(12月21日or22日)は日照時間が5時間27分しか無く、夜が極端に長くなり朝が遅いと言う状態になっています。

ベーリング海峡の海氷を守るには、どんな方法があるのかを私なりに考察してみました。

【北極圏の海氷を守る具体的は方法】

「もしこのベーリング海峡の冬場に形成された海氷を融けるのを守る事が出来たならば、この後ろにある北極海の海氷を守ることが出来ると考えました。」

冬場この地域の海氷の厚さが2m前後あり、流れる海氷がぶつかった時の衝撃・破壊力は凄まじいものです。
海氷を守る方法とした考案したのは、設置、撤去が可能なオイルフェンスのようなものです。
具体的な設置方法について説明していきます。

海氷の衝撃・破壊力が高いため、フェンスの設置する場合現地で設置・管理・撤去を行う必要があります。

設置時期は、【4月・5月頃】に設置し、その後維持管理を行います。管理内容は主に温度管理と調整、嵐やその他の事象による破損箇所の修復です。
撤去時期は、【8月・9月頃】に撤去を行います。

管理基地の必要性と特殊な作業服
そんな維持管理体制を備えるには作業員数や資材・設備を考えると管理基地が必要になります。
設置時期が温かい時期なら幾分作業の過酷さも軽減されますが、海氷がある時期は創意工夫が必要にもなります。
また、作業服に関しては、極寒の環境下でも作業可能且つ、作業者の生命を守れる作業服が存在します。

【海氷を守る】

その方法がイメージとしてはオイルフェンスをイメージして頂くと分かり良いかと考えます。
通常のオイルフェンスは浮の部分とフェンスで水深が50㎝程度で浅いタイプですが、今回の使用する海氷フェンスは浮の部分とフェンス部分が水深3m前後の深いタイプで、役目は海水の表層高温海水の流入の防止です。
身近な例えとして、浴槽のお湯です。
表面は温かいが底面は冷たい状態にあると考えて頂ければイメージが出来ると思います。
その表面部分の温かい海流をフェンスによって抵抗を与えることで海面の海氷の溶解を軽減する事が可能と考えています。

【ベーリング海峡への設置について】

イメージとしては、ブイとブイを並べ、フローティングワイヤー(私の考案)浮くワイヤーで連結した状態にします。
それに海氷フェンスを設置します。
100㎞のベーリング海峡に 大きなブイを10基程度10㎞程度の幅に一基づつ程度設置します。
その10㎞の間に小さいブイを3基程度並べ、それを繰り返します。それに浮くワイヤーで連結し、海氷用フェンスも設置します。
これを2㎞の間を開けて二重にします。一重目は太平洋からの表層の高温海水の流入の抑制消波や浮遊物侵入防止の役割です。
二重フェンスのこの中間点は2㎞の幅があります。
人的な工夫が可能な場所で重要な役割があります。基本は修理、修復と温度管理です。年間の明確な海水温度の動きは調査が必要ですが太平洋側の夏場海水温度を20度前後と仮定しております。
一重目を越えた中間点での海水温度を10度前後以下が理想です。それ以上の温度の場合、温度を下げる人的工夫が必要です。

【二重のフェンスの間での人的工夫が効果となるかが重要です。】

例えば、噴水的な海底の温度の低い水深を海水での攪拌・循環させる等の方法や雪や氷の投入での温度の低下を促進させます。
そうする事で、二重目フェンスは直接北極海側の海氷を守る事が可能になります。

北極海側の温度は5度以下と考えて話します。
平常時での表層高温海水の流入での海氷融解の影響よりも、嵐や強風時での流入による融解影響が想像を越えていると考えます。
それは嵐や強風時に家のドアや窓を閉じるのとよく似た発想で被害が少ないのです。この二重フェンスは平常時よりも、嵐や強風時の備えでもあります。
シビアコンディション(劣悪環境)において設置するフェンスは「機能性・メンテナンス性・耐久性」に優れた材質で制作する必要があります。

【ブイと役目について】

ブイにはフロート浮きの部分と海面下に鉄鎖と鉄の重りの部分から成っています。
それで海面上では常に元の場所へと戻る働きがあり、この元に戻る働きを弾性力と呼びそれを発生させる役目です。

ブイとブイを浮くワイヤーで連係した状態の場合の説明

ブイ同士を連係した場合、連動作用が起こり、波や風によってブイが流されても、弾性力と連係に伴う作用によって、ウェーブが発生し、そのウェーブが波や風の影響をより強く消す作用が考えられます。

資料

「北極圏のサイエンス」
赤祖父 俊一氏 著
誠文堂新光社
この本の中で北極海の海氷には温暖化抑制の働きの効果があってそれが「鍋のフタ理論」本の中で詳しく説明されています。赤道直下で温められた大気が上昇し 南北の極近くで冷えて下降を始め表層が海氷の場合は良いが、海水の場合はそこで熱交換現象が起こりより温暖化が加速するらしい。 

特許説明

北極圏海氷の融解抑制方法